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新聞広告に未来はあるか。(後編)

2020.01.29

前編の記事はコチラ。

さてさて、前編では第39回新聞広告賞の受賞作品を見てきましたが、
後編ではより最近の事例をご紹介していきます!

新聞広告を主役にしたインタラクティブプロモーション
「新聞広告の日 朝日新聞社×左ききのエレンプロジェクト Powered by JINS」

10/20の「新聞広告の日」に実施されたプロモーション。
目的は「新聞広告のPR」。内容はこんな感じ。
まず10/20の「新聞広告の日」に、広告クリエイターの生き様を描いた人気マンガ「左ききのエレン」とコラボした30段の新聞広告を掲載。中身は「左ききのエレン」の新たなストーリー。

その中では、メガネメーカーの「JINS」の新聞広告の競合プレゼンで、マンガ内の架空の広告会社である、「目黒広告社」と実在の(今回のプロモーションを仕掛けた)クリエイティブブティック「TheBreakethroughCompany Go」が戦うことに。

両者の企画案がストーリーの中で紹介され、どちらの企画案が良いかをユーザーにTwitterのRTで投票させ、勝った方の案が実際翌月の紙面に掲載されるという流れ。

実際に投票の結果、「目黒広告社」の案が勝利し、その企画案通りの広告が11/21の朝日新聞に掲載されました。このプロモーションのすごいところは、新聞広告を使ってロングスパンの訴求を実現したところ。

新聞広告の強みは「瞬発力」。逆に弱みは「持続力」。ウェブを絡めることによって、弱みをカバーしており、長期的な訴求を可能にしています。

事実、Twitterでの話題への反応は、1週間近く持続していました。前編で紹介したような、「インパクトあるクリエイティブ」の広告も、SNSで話題化し、長期的に登場することもありますが、今回のプロモーションではそれを偶発性に任せるのではなく、「狙って」やってのけています。こりゃすごい。

また、普通にしていたら11/21の新聞広告を目にしなかったであろう人たちに、新聞広告を「見せた」。これは、「左ききのエレン」というコンテンツ、また新聞以外のメディアを絡めたことによる利点だったと言えます。

情報への「入り口」が多数あったということなので。あと、マンガの力もあるんでしょうけど、すごいのは、今回のステークホルダーである、JINS、左ききのエレン、朝日新聞、新聞広告、そしてGOの全ての人たちがちゃんとPRされているところですね。

一般的に「制作過程を見せる」ことは有効なPR手段と言われていますが、広告業界の「競合プレゼン」をテーマにしてきたことには度肝を抜かれました。ウェブ分野での職業職種も増えてきて、広義の「クリエイティブ」業界に属する人も増えてきているので、もしかしたらそういう人たちが裏ターゲットだったのかも、なんて思ったりもしています。

15段広告を贅沢に使った広告がTwitterで話題に
「クリーニング モリ」

奈良新聞に掲載された「クリーニング モリ」の15段モノクロ広告。
決して安価でない15段広告を贅沢に真っ白に使い、「広告も真っ白じゃないと落ち着きませんでした」とクリーニング屋さんらしいキャッチコピーを入れた思い切った広告がTwitterで話題になりました。

普通なら奈良エリア内で完結してしまう新聞広告。しかし、Twitterで話題になったことで、情報は全国に渡っていきました。また「情報伝達の質」という意味でも、話題になったことで、広告はコンテンツとして、そのメッセージにも注目が集まりました。

まとめとなりますが、新聞広告はただの新聞広告としてではなく、「新聞で完結しないコンテンツ」として捉えていく必要があるということが一つの結論として言えるということ。「しかけ」や「強く、共感されるメッセージ性」または「その表現」で、(簡単なことではないですが)話題になることで、

より印象に残す、そしてSNSを通して広がっていく可能性を秘めています。そしてそれは新聞広告という媒体自体が元来、その特性として、強いメッセージ性を持っているがゆえ。

新聞広告特有のその特性を最大限に利用することができれば、その可能性も最大限に高くなるということが言えるでしょう。

新聞広告に適した「しかけ」「強く、共感されるメッセージ」「表現」で、印象に残す、広がっていくクリエイティブを。