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新聞広告に未来はあるか。(前編)

2019.12.12

こんにちは、いろいろ考えすぎて筆の遅い笹本です。(なかなか定期的に情報発信をしていくのも簡単なことではないですね…頑張ります!)

新聞広告って特別だよね。

さて、今回は「新聞広告」について。全国的に、若年層の新聞離れが進む中、広告媒体としての新聞も、その在り方を問われていることは言わずもがなです。
「新聞広告のこれから」は今、広告業界で一つのトピックスになっているとも言え、 クリエーターたちがその役割を再定義しようとしています。

でも思うんですよね…(急にテイストが変わる)
すごく感覚的な話なんですけど、新聞広告って作る人にも見る人にとっても、「特別感」があるって。

イベント会場でいうと「武道館」みたいな。
選ばれしものしか立てない、最高のパフォーマンスを披露する場。
憧れの場所。

例えば中身が同じグラフィックであっても、
新聞広告として出ているのと、駅貼りポスターとして出ているのでは、受け取る側の印象も違います。新聞広告であることのメッセージ性。

「憧れ」ってことで言えば、多くの広告クリエーターは、「新聞広告を作る」ことに必ず一度は憧れたはず。
そんな、グラフィック広告のド王道が新聞広告なのです。

第39回新聞広告賞

先日、第39回新聞広告賞の受賞作品が発表されました。(日本新聞協会主宰)
一部、その紹介をさせていただきます。

【新聞広告大賞 – 広告主部門】

カープ新井選手引退記念企画「結局、新井は凄かった」
広告主:黒田博樹氏
掲載 :2018/11/05 15dx2 中国新聞

これは広島東洋カープの新井選手の引退に際して、盟友・黒田氏が企画したもの。
2面のうちの片面は新井氏のミスした新聞記事・写真をコラージュし、もう片面は新井氏をねぎらう広告になっています。

この広告が掲載されたのはは中国新聞のみで、全国紙への掲載はありませんでした。

しかし、カープファン、プロ野球ファンを中心に、TwitterなどのSNSや口コミでこの広告は拡散されて行き、結果的に全国で話題になりました。

この事例は企業広告や商品広告ではない特別なパターンではありますが、現代のネット社会では「共感」は「シェア」につながり、さらに話題化につながります。
これまでの考え方だと、新聞広告への掲載はその新聞の購読者数が訴求範囲のMAXでしたが、今や「共感」を呼ぶ新聞広告は、その範囲を超えて訴求できる。

新井氏と黒田氏のストーリーが生んだこの広告は、そのことを証明した広告と言えるでしょう。

【新聞広告賞 – 広告主部門】

2億円事件。お正月働き方改革広告
広告主:株式会社幸楽苑ホールディングス
掲載 :2018/12/31 15d 朝日(東京)、東奥、岩手日報、河北、秋田魁、山形、福島民報、福島民友

香害 2点シリーズ
広告主:シャボン玉石けん株式会社
掲載 :2018/06/05 15d 朝日、毎日

パンテーン #HairWeGOキャンペーン 就活ver.1 #1000人の就活生のホンネ
広告主:プロクター・アンド・ギャンブル・ジャパン株式会社
掲載 :2018/09/25 15d 日経

この3つは時事問題を取り上げ、企業広告にしたパターン。
こういった広告はSNS上で議論のタネとなりやすいこともあり、やはり新聞掲載だけで終わらない、広がりのあった広告だったと言えます。

【新聞広告賞 – 新聞社企画部門】

海の声新聞
広告主:イケア・ジャパン、カネカ、日本財団、日本マクドナルド、ボルボ・カー・ジャパン
掲載 :2019/05/30 15d + 30d 東京
企画 :東京新聞 広告局

プロジェクト型の連合広告。とにかくビジュアルのインパクトがすごいです。
今年、全世界で大きな問題となったプラスチックごみの問題を取り上げ、砂浜に新聞の一面見出しの絵を描き、それをビジュアルにしています。

環境問題という世界的な大きな問題を取り上げたこの広告は、日本ではもちろん(LINE NEWSに取り上げられ、話題化)全世界的にも情報拡散がされ、話題に。
普段、新聞広告を利用しない企業も協賛につくなど、企画主旨が多くの人の共感を呼びました。

さて、今回新聞広告の未来を考えるとともに、新聞広告賞の受賞作品を見てきました。
ここで紹介した以外の作品は、日本新聞協会が運営している新聞広告データアーカイブサイトにてご覧ください。

長くなってしまったので、続きは後編へ。
後編では別の事例を取り上げて、さらに新聞広告の未来を深掘りしていきます!

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